概要
ラクロット族は、大柄な体躯と深い知性を併せ持つ亜人種である。
世界最高峰の学術都市リズールを築き、知識を守り、未来へ受け継ぐことを種族の使命としている。
歴史学や魔導学に精通し、世界各国から訪れる学者たちと共に研究を続けている。
その叡智は広く世界へ開かれている一方、一部の書物は厳重に管理されており、世界の均衡を陰から支えている。
身体的特徴
ラクロット族は、人族より一回り以上大柄な体格を持つ亜人種である。
男女ともに筋肉質で頑健な肉体を備え、褐色の肌と太く通った鼻筋が特徴。
耳はやや長く尖り、落ち着いた顔立ちからは深い知性と威厳が感じられる。
手足は大きく指も太いため、高い腕力と優れた握力を持つ。
一方で動作は意外なほど繊細で、写本や魔導研究など細かな作業も難なくこなす。
文化・生活
ラクロット族は、知識を守り、未来へ受け継ぐことを何よりも尊ぶ文化を持つ。
幼少期から歴史学、魔導学、天文学、植物学など幅広い学問を学び、生涯を通じて知識を深め続けることが美徳とされている。
世界各国から訪れる学者や研究者を歓迎し、互いに知識を共有しながら研究を進めることを重んじる。
また、各国から写本や古文書の修復、歴史資料の鑑定、古代遺跡の調査などを依頼されることも多く、その卓越した学識は世界中から厚い信頼を寄せられている。
初対面の相手と挨拶を交わす際には、「お初にお目にかかります。私は○○の息子の○○、さらにその息子の○○と申します」のように、自身の名だけでなく父や祖父の名を添えて名乗る風習がある。
これは、血筋を誇るのではなく知識を受け継いできた親や祖先への敬意を表すものであり、他国では見られないラクロット族独自の文化として受け継がれている。
社会制度
ラクロット族が暮らす独立都市リズールは、知識と中立を重んじる自治都市である。
政治や重要事項は、歴史学、魔導学、法学、医学など各分野を代表する長老や学識者による評議会で審議・決定される。
都市は世界各国との友好関係を維持し、いずれの国家にも属さない中立都市として独立を保っている。
また、その学術的価値から各国との間で不可侵条約が締結されており、世界中の学者や研究者が安心して訪れることのできる環境が整えられている。
知識は広く世界へ還元されるべきものと考えられている一方、公開が制限された書物は厳格な管理体制のもとで保管され、その管理は限られた者にのみ託される。
能力・適性
ラクロット族は、生来より優れた知性と高い記憶力を備え、歴史学や魔導学をはじめとする学問全般への高い適性を持つ。また、長寿であることから、一つの分野を百年以上かけて研究し続ける者も珍しくない。
屈強な肉体と優れた腕力を持つため、重厚な書物や石碑の運搬、遺跡調査などにも適性を発揮する。
一方で、その大きな手は精密な細工を苦手とすると思われがちだが、高い集中力と器用さによって写本や文献修復などの繊細な作業も高い水準でこなす。
魔力への適性も高く、とりわけ解析・補助・封印など、知識を活かす支援系魔法を得意とする者が多い。
歴史
ラクロット族は、神エムティスが人類へ知識を授けるために生み出した種族であるという伝承が古くから語り継がれている。しかし、その真偽を示す確かな史料は現存しておらず、現在でも神話と歴史の境界については議論が続いている。
一方で、一部の歴史研究者の間では、エムティスは実在した人物ではないかという説も唱えられている。
古くからラクロット族は知識の継承を使命とし、歴史書や魔導書、各地の文献を収集・保存しながら発展してきた。国家の興亡や戦乱の時代においても、失われゆく知識を後世へ残すことを最優先とし、多くの書物や歴史資料を守り続けてきた。
その中立性と卓越した学識は次第に世界各国から認められるようになり、彼らが暮らす独立都市リズールは各国との間で不可侵条約が締結された。以後、世界中の学者や研究者がリズールへ集うようになり、現在では世界最高峰の学術都市として広く知られている。
現在もラクロット族は知識の探究と継承を使命とし、古文書の修復や歴史資料の保存、古代遺跡の調査などを通じて、世界の歴史と叡智を未来へ受け継ぎ続けている。
他種族との関係
ラクロット族は特定の国家や種族に肩入れすることなく、すべての種族と中立的な関係を築いている。
世界各国からは、その卓越した学識と公平な姿勢が高く評価されており、歴史資料の鑑定や古文書の修復、古代遺跡の調査などを依頼されることも少なくない。
また、独立都市リズールには世界中の学者や研究者が種族を問わず集まり、互いに知識を共有しながら研究に励んでいる。そのため、ラクロット族は「知識を守る者」「知恵の民」として広く知られ、多くの種族から敬意を払われている。
一方で、ラクロット族は知識を私利私欲のために利用する者や、歴史的価値のある遺物・文献を破壊、略奪する者に対しては決して寛容ではない。知識を守るという使命を脅かす存在には、種族や国家を問わず毅然とした態度で接する。
備考
- リズールは世界最高峰の学術都市として知られている一方、「お菓子の国」の異名でも親しまれている。ラクロット族は大半が甘党であり、研究や写本の作業中にも甘菓子を摘まむ光景は日常の風景となっている。
- ラクロット族の間で特に好まれているのが、「サセローム(Sasselom)」と呼ばれる黒い糖蜜である。濃厚な甘味と豊かな香りを持ち、菓子や飲み物に用いられるほか、そのままパンに塗って食べる者も多い。
- 「なぜラクロット族はこれほど甘味を好むのか」という研究は古くから続けられているが、現在に至るまで明確な結論は得られていない。